― つかの間の夢 ―
ン―――…
[ベッティと共に今日日も泊まり二人寄りそいあう最中。優しく名を呼ぶ声に娘は身じろぐ。記憶に残る声は薄れるはずもなく幼馴染の声だと解るから。
クロ、エ…?
な、なんで、どうして此処に!?
[生前と変わらぬ姿の儘佇む彼女に問う言葉。ただ其の形は陽炎の如く不鮮明なもので。覚醒する意識は早く上体を起こし幼馴染を見詰める。]
……居ないから、寂しかったよ
クロエとブリジットに会いたかった
[ブリジットも傍らに居るならば、眼差しを向けて。]
謝らないで…こうしてまた来て呉れたでしょ?
―――…ありがとう