[駆ける、駆ける、ひたすらに。どれだけの時間駆けたのかなどは、意識にはなく。やがて、唐突な変化。空気と、景色の]……どうやら、出られたらしい、な。[零れ落ちる呟きは安堵を帯びて。ばさり、羽ばたきの後、その姿は『解けて』、蒼髪の青年のそれに]……帰れる。これで、兄貴も。