『………お兄さんがいる、なんて、知らなかった リヒト、そんな事言わなかったから』[やっぱり違うんだという思いと、お兄さんなんだという思いを口にすれば少しだが、涙が落ちる勢いは削がれた。]『私は……グラォシルヴ。 リヒトの、幼馴染で…………相棒だったの。』[ようやくそう説明した頃には、昂る感情は抑えられたか。赤の混ざった瑠璃の目は翳りを帯びながらも、見上げてそう自身の素性を、過去を告げた。]