[カヤの言葉を聞いて、ミハエルはしばし沈黙した。
名を呼ばれても、口は噤まれたままで、翡翠が下を向く。
それに気付いたキーファーがミハエルの肩へと止まり、後押しするように頭を頬に擦り付けた。
キーファーの励ましを受けて、翡翠がカヤを見る]
──…カヤ、僕は来年、この村を去らなければいけないんだ。
この屋敷には管理する者を置いて行くから、花の世話は問題ないんだが。
「何だって…?
……ああ、でも、そうか。
お前は元々村の外から来たんだもんな…」
[真剣な面持ちでカヤに告げると、彼は驚いたような表情をした。
今年荷と共に届いた手紙には、約束通り来年は本邸へ呼ぶ旨が書かれていて。
来年の今頃は村から出る事が決まってしまっていた]