― 雑貨屋 ―
[>>1608―――その日は、星の綺麗な夜だった。
止まぬ雨が無いように。
夜が明けぬことも無いように。
穏やかな日々は、唯過ぎて行く。
群青色と金が輝く夜空へと娘が意識を奪われていた頃。来訪者を告げるベルと共に姿を現したイレーネに翠の眸がまあるくなって。]
…あ、ごめんなさい
お店はまだ平気なの、ええと…何が入用なのかな?
[がた、と席を立って。身重の彼女を想うように娘は彼女の傍まで寄り。]
……え、あの、イレーネさん
その荷物って…
[買い物をしに訪れた風には思えなかった。その佇まいを気にしながら娘は訊ねたそうに彼女の瑠璃色を見詰め。]