[カルメンの作った人形が欲しいと口にする様子に、
娘は黙ってその片隅に置いてある欄を指さして。]
……う、ん…カルメンさんの最後の作品になっちゃって
もう、在るだけになってしまうけど
[子供向けの人形は何時かイレーネに進めた物。
可愛らしい動物や女の子の形をしたもの、
籠の中に其々が愛らしく賑やかに在る。]
ン―――…
でも、男の子向けと女の子向けの物とあるけど
どちらでも好いのかな…?
[こてりと頸を傾ぐ。視線は彼女に向きながらも、
逐一手にされた荷物に眼が行ってしまう。
どちらにせよ、娘は深くは訪ねられずに居る事で*]