[とはいえ、街で猛禽を育てるのは、やはりというか限度があり。
山に放すか、という結論に達したのも、已む無しといえた。
その、放す先として故郷を選んだ理由は──自分にも、わからない、けれど]
……さってと。
今日からここが、お前の暮らす場所になる。
[久しぶりに訪れた故郷。
宿に顔出しせず、真っ直ぐ向かったのは湖畔。
告げられた言葉を理解しているのかいないのか、こきゅり、と首を傾げて不安げに鳴く蒼鷹を、撫でて]
んな声、出すなっての。
……あのまま、街場で暮らすより、こっちで生きた方がお前にとってはいいんだから。
……な?