―墓場―
[アーベルの墓前で彼が生前吸っていたのと同じ煙草を咥えて、
火をつけるとそれを地面に刺して立てた]
うまいか?私はまだよくわからんな。
[そう言いながら、自分の分も一本吸いながら。
それなら吸うなよと、生前の彼ならば自分に突っ込んだだろうか]
でもまぁ、悪いとは思わないぞ。
宿の方は、まぁあんなこと合った割には順調だ。
変な客も来るようになったけどな。
村の方は、もうほとんどいつもどおりだ。
じゃあ、またそのうち気が向いたらくるからよ。それまでじっくり待ってろ。
[そういい残して、墓場を後にした。
墓前に立てられた煙草はその煙をしばらくの間揺らし、墓標に名の刻まれた彼に、その煙は言葉とともに*届くだろうか?*]