[涙が、心が落ち着くまで、リヒトの対は隣に居ただろうか
ようやく少し笑みを向ける事ができれば、これからの事を問われて]
『これから………』
[たっぷり間が開いたことで、あまり深く考えていない事は知れるだろうか。
少し困ったように視線を彷徨わせながら。]
『……とりあえず、この子をちゃんと産みたいの
だから、街の方まで行こうと思ってる。』
[その街とは真逆に歩いていた事を世間知らずの寡婦は知らない。
呆れたような溜息に、何か悪い事を言ったのかと瑠璃が覗き込む。
己の危うさにルークスは気づいているのか。
相棒の話を対価に、連れて行ってやると手を差し伸べられれば、
おずおずとしながらも、その手を小さく掴んだ
孤独で無いことへの喜びが、薄らと表情に紛れて。]