今、こうして居るのは我、であるからの…
今、この時は我のものじゃ、案ずる事はないよ。
[先の憂いは消えて、愉しむかの声に変わり]
その力が有ったという事じゃろ、そなたに。
熱、か…どうじゃろう、な!
[舞うようなそれ、曲刀に受け止められて僅かに体が均衡を崩す]
[視線は前を捉えたまま、だから、その手の動きは見えていた]
[けれど]
っ……
[崩れた均衡を戻しきる前に、十字は頬を掠めて、流れるは、赤]
油断したわけではない、が…この痛みは久々よの。
[そう言いながら、止められていない手でそれを振り払い、間合いを取ろうと]