[ゲルダの右手に口付けを落としたまま、翡翠はゲルダを見詰めていた。
見えた反応にやっぱり驚かせてしまったな、と苦笑に近い笑みが少しだけ零れた]
勿論、来年も再来年も、その次も。
夏になったら必ず来るよ。
君に逢うために。
[右手から顔を離してゲルダに微笑む。
村に来るのは宝石と細工の買い付けのためでもあったが、自分の中ではゲルダに逢うことが優先されていた。
朱の走るゲルダの顔。
以前まではゲルダの挙動にこちらが赤面させられていた。
彼女がどう言う想いで居たかまでははっきり分かっていなかったけれど。
見せられた反応と言葉に嬉しげな笑みが浮かんだ]
うん、必ず迎えに来るよ。
来年まで寂しい想いをさせてしまうかもしれないけど…。
必ず、逢いに来るから。
[そう告げて、ゲルダの右手を離し。
約束、とゲルダ抱き締めるべく手を伸ばした]