[心音が早鐘を打つ。手に触れられ口接けの意味を理解してない訳も無く。ちらりと眼差しを向けては下げられて。見えた苦笑いに、へなりと眉を下げてしまう。]
あ、わぅ………
ど、どうしたらいいのか解らない
でも………そう言われるのは、何時もと違う意味で
嬉しい、な…
[照れたまま、困った様に笑んで。異性の近しい知りあいはこれまでに居たけれど、意味を知らぬ娘は初めての感情に途惑うばかり。右手が解放されると両頬に手を当て、うろたえる仕種。]
―――…ううん、だって、また新しいところで頑張って欲しいから。
夏の間なら手紙の一つでも…書けると思うし
だから――――…ミハエル君の事、何時までも待ってるから
[そうして、抱きとめられられる身体。今までの淡い抱擁ではなく、異性を感じさせる温度が身体に伝う。何処か眩暈を覚えながら、こくこくと青年の胸の中で頷き、此方も背に手を回した。]