[一つだけの質問に、彼女が選んだ言葉は少し胸を突いた。]………ええ。私を―――この子を守る為に始まって、そして―――――終わった。[それに返した言葉は多くは無い。そこに何があったか、経緯を口にする事は無い。同胞や夫や自身の想いは、自分にしか分らないだろうから。―――自分ですら、分らない事もあるというのに。誰かに口にする事は出来なかった。]