覚えているよ。
だから、満足して死んだ筈だったんだけどなぁ……―――。
[けれど、語られる内容に、朱は引いて。
代わりに浮かぶのは、迷い子のような表情。
つきり、傷む胸。
それを埋める手段がないというのがきっと“死”ということ。
伸ばす手は、彼女に触れることは叶わない。]
本当は、もっと、傍に居たかった、んだよ。
もっと、君に触れ ていた、かっ た。
子どもとも、遊び たかった 3人で、手を繋いで
歩き たかっ……――――
[生前謂えなかったことが、ボロリボロリと嗚咽に混じり落ちる。]