[苦しかったのは辛かったのは、身体ではなくて。謂えなかったのは、謂ってしまえば泣いてしまうと判っていたから。心配掛けたくなかったというのも、本音。そして、異性として好きな人の前では格好つけたいというのも、本音。あれだけ情けないところみられているのだから今更としれど、でも、最期だから最期だからこそ、謂えなかった言の葉。]ふぇ……―――?[涙と鼻水でどろどろになった貌を、かかる言葉で上げた。晒される己の病的に白い肌は、傍目からみても美味しそうだとは思えない。]