あはは。少しずつで良いから、覚えて欲しいな。
…うん、そう言って貰えるなら、僕も嬉しい。
[紡がれる言葉に笑みを零し。
優しげに細めた翡翠がゲルダを捉えた。
本当は、断られることも頭の隅にあった。
けれど返って来た言葉は自分にとって喜ばしいもので。
うろたえるその仕草すら愛おしいと感じる]
逢えない間に沢山頑張るから。
逢える時はゲルダの傍に居たい。
それが、僕の一番安らぐ場所だから。
それにね、この村の宝石の仕入れは僕が継続することになってるんだ。
だから、毎年必ずここには戻って来るよ。
[抱きとめたゲルダの身体は今では自分よりも小さく感じられ。
自分の腕に収まってしまうことに一層の愛おしさを覚えた。
抱きしめながら告げる最後の言葉は、少し悪戯げな色が混じり。
伝う温度を名残惜しく思いながらもその身体を離した]