[風を振り払った先で、かろうじて残された水球が左と右を其々に打ち、砕けるを見る][笑みと共に零された言葉へ、ほ、と安堵の呼気と笑みを浮かべるが早いか]……ッ![傾いだ身体。翅の傷に当然だと頭が理解したけれど、信号を送るには遅い][慌てたが故に集める水分に僅かな赤が乗る。背側、少し上から。自身の身体を打ち出すように蝶へと押し出させて][伸ばす両腕は蝶を掬い上げられるか、否か]