ゼルがもう少し大きくなったら………もっと大きな獲物を狩りにいきましょう。
あなたも味を覚えておいて
[娘を抱きしめ微笑みながら、母は獣の理を優しく紡いで聞かせて語る]
それを狩るのは難しいし、沢山注意しなければいけないけれど
とてもとても甘くて美味しい……
そして女の子には、何時か必ず必要となる餌だから
[向けた言葉に娘はきょとりと、紅玉の瞳を瞬かせるも
“狩り”の言葉に、紅玉の内にある獣の瞳がきらと光ると、
母は満足そうに瑠璃色の瞳を細めた。
父さんも一緒?と問いかけてくるコエに、
言わずとも付いて来そうな漆黒を想い小さく微笑めば、
遠くからさも当然という返事が返ってくすくすと笑みが零れて―――]