『風が……か』[風──ヴィント、は紅の魂に名づけられし己がもう一つの名。それが運んだよう、との言葉に、笑えないな、などと思いつつ]『ああ……誓ったから。諦めない、って。 それを、忘れないために。 忘れて、流されないために。 ……待っていてくれる、朱の花の所に帰るために……ね』[歌の事を問うコエ>>2056に、静かに静かに、こう返す。『朱の花』──それが何を示すかは、『場』の何たるかを知る者であれば悟るのは容易いか]