[ふわ、と翼を広げて近寄ってみれば、 そこには2つの手の平にすっぽり収まる程の大きさの塊 ――彼女には何か分からなかったらしい――が 光を弾いて鎮座していた]何、だろ。前は何もなかった、のに――。[拾い上げるとちりん、と飾りが鳴った。 何処かで聴いた音色、思い出せるだろうか。 何度も揺らしては静寂に音を響かせる。 やがて、その飾りをそっと撫でるように一つなぞると 大事そうに両手で包み、その場を後にした]