─約束から2年後─[季節は巡り、夏の初めに差し掛かった頃。高地の村へ行くため、青年は麓の村までやって来ていた。たった2年通っただけでも、麓の村にも顔見知りが増えて行く。貴族がわざわざ自ら足を運ぶと言うのが珍しかったらしく、名前は広く知られてしまっていた。目立ってしまったのは、蒼鷹を連れているのもあったかもしれないけれど。それもあってか、産出される瑠璃目当てに集まる者も増えたように思う。競争相手が増えることになったが、彼の村が潤うならそれも良いと考えた]