─ 放浪の一幕 ─『理不尽か。確かに、花も牙も望んで得たいものではない。 君達がそう誓い合うことも、既に復讐の一つだな』[ククと篭る笑いは、あまり質の良いものではなかったが]『……素晴しいことだ』[一呼吸置いて伝えたコエは、濁りのない敬意と、その成就を願う心から紡がれていた]『ああ、そうだ。 愛しい朱花。愛しい娘。 だから近くにはいられなかった』[自然な問い>>2083にも、躊躇いなく肯定を返し]『どうしているだろうな……』[物思うように囁いた]