―森のどこかで―
……お、あったあった。
[などとぶつぶつ言いながら、木の実を採集すること小一時間ほど。
日頃から魔法薬用の標本採集のために持ち歩いてる袋に、ぽいぽいと放り込みつつ]
……あ、きの……これ「死の天使」か、危ない危ない。
ん……?
[大きな樹の向こう、なにやら茶色い物が動いた気がして視線を向けた。
土山や倒木にしては、妙に艶やかな……てかっ、とした物]
何だあれ……あんなのあったっけ……?
[そう言いながら興味本位で近付いて]
『ガサッ』
[大きな音を立てて、それが動いたのに、ぴたりと足が止まる]