[そうして、男が立ち去ったあとで、大きく息を吐くと、いつもより少し大きな白を呼ぶ]
さて……あの者に、神魔の子に伝えておこうか、ね……
「あまり叱らないでやっておくれ」と。
[普段は口に乗せることのないその名、蝶に託して]
[飛び去る白の行方は追わず、目を閉じる]
……さて、転生までは行かぬがかなり消耗した、の。
少しの間眠るとしようか……
[そういうと、羽衣と翅がするりと全身を包み込む]
[まるで蛹の如きそれ、癒しの眠りゆえ寝顔はそのままに]
[次に蝶が目覚めるのは、そう遠くはない日の話]**