─ 森のどこか ─
……んー?
[ぴたり。進んでいた歩みが止まる]
『……にーさん、今』
ああ……気脈が、揺れた。誰かが近場で魔力使ったな。
[黒猫妖精の言葉に頷いて、感覚を研ぎ澄ます。
気脈の揺れを感じた場所は、そう遠くはない。
そして、その近くには何か、不自然な気配も感じる]
……ターゲットと、誰かが遭遇してんのかもしれねぇ。
急ぐぜ!
[言うが早いか、気配を感じる方へと走り出す。
黒猫妖精が、きゃー、と言いつつ肩にしがみつくのはお構いなし。
走りながら数枚のカードを取り出し、その角で指先裂いて銀の上に紅でルーンを描き出して]