>>2142
「そう。
彼の桜の子は、想いの強さと心の弱さの均を取りかねて、道を失した」
[答える声は、どこか痛ましげな響きを帯びていたやも知れず]
「……聡い子だな、さすがは宗主に連なるもの」
[恐る恐るの言葉、それに、くすりと笑んで]
「何をせねばならぬか、ではなく、何をしたいか。
己が何を望むか、そのためにどうあるべきか、が、分かっているのであれば……答えは、見えているのではないかな?」
[楽しげな言葉と共に伸ばされる手。
それは、ふわりと少女の頭を撫でて]
「……迷いは、目を曇らせる。
一度目を閉じて、落ち着いてから、開いて見るとよいよ?」