……この手のデカブツは、小手先技じゃ通じねぇのが問題なんだよなあ……。
『まー、大抵は魔力影響でムチャ育ちした結果やもんねぇ』
[思わずもらした愚痴に、黒猫妖精が軽く突っ込む。それに、だよなあ、と言いつつ、手早く紅で線を引いた]
とりあえず、動き……ととっ!?
[描いている最中に振り下ろされる、鋏。
その一撃は、生み出された障壁により力を往なされ、軽いバックジャンプでも避けられた]
……鈍らせねぇと、話ならねぇな。
[呟きつつ、ケースから紅一色で描かれたカードを数枚抜き出して、ルーンを描いたそれと共に投げつけた]
……広大なる地の力。その重き縛りを持ちて、我が敵に力の衰えを齎さん……重縛!
[言霊が解き放つのは、重力による束縛。
相手の特徴の一つである速さを奪い、動きを鈍らせるためのもの。
砕けたカードから零れた淡い琥珀色の鎖が陸生大ヤドカリに巻き付いて、いく]