『あ、でも、その前に。 ……『名前』、聞いてもいいかな?』[再び見える事などあるかもわからない、けれど。久し振りに聞いたコエの主の事はちゃんと覚えていたから。ごく自然に、問いを投げかけ、それから]『ああ……俺は、『ヴィント』。 ここでは、そう、名づけられた』[ずっと他者に呼ばれる事のなかった紅の名前を、ごく軽い口調で告げていた]