─ 放浪の一幕 ─『ただ流されていただけのつもりでも、ないんだが』[殺されるためにあるかのようなシステム。そうそう負けるものかと、全力で生き抜いてきた。物影より出て、会話相手をしげしげと眺める。微かに響く鎖>>2171の音も、紅の世界を知覚している時ならば容易く拾い上げた。月明かりの下、戒められているような右腕に僅か眉を動かし、蒼と紅の双眸に金の眸を眇め]『…若いな』[言葉にした感想はそれだけ。ただその苦労を思い労うかのように目礼を送った]