……俺は、アーベル・テュルキス。ま、こんななりだから、おかしく目立ったりもするんだけどな。[真白き月の照らす世界に響く声で返しても、異眸は変わる事はない。刻まれた痕は、背負い、けれど、囚われぬと決めたもの。金から変じた深緑を見据えて名を告げた後、ひとつ、息を吐いて]『ああ……それじゃ』[また、とは言わない、言えない。だからそれだけを告げて。こちらも踵を返し、一歩を踏み出した。**]