◆ENDRP
「……ようやく、この場所の主となるべき者が、戻るようですよ、父さん」
[緑の揺れるその場所で、老園芸家は小さく呟く。
手には、古びた写真が一枚。
この庭を築いた者が、最期まで傍に止めていたもの。
小さな苗木を世話する、良く似た二人の少年の写るそれ。
一人は、それを手にした老園芸家。
もう一人は、刻の呪縛より生還したという、彼の兄。
いばらに覆われる城となった施設が崩壊した、と聞いた時、二度と戻らない、と思っていた彼の人が生還したと知らされ。
当人から、短い手紙が届いたのが、数日前]