[おそらく、火炎を霧散させた...に対して、驚愕しているのだろう。
だから、...はわざと全くダメージがないように振舞いながら、斧の石突を床に突いて斧の刃を天井にを向かせる形に持ち替えてから、薄い胸をなるべく突き出して仁王立ちした。
なぜなら、見た目以上に手におきた火傷は酷いものだった。炎の銃弾に込められた魔力が強かったのだろう。瞬時に熱伝導によって焼かれた掌は、一度離してしまえば再度柄を握るのは難しいと判断せざる得ない程に焼けただれ、実際に左手を離す時には表面がみちりと剥がれた音を体の内側から聞いてしまっていた]
ったく、思った以上にメンドイわ。しかも、私の一撃を軽く避けるし、魔法は撃ち落されるし……。
[斧の柄を握る右手がズキズキと痛む。その痛みにかぶさるように、最初無理をした足首もまた自己主張し始めた]
(このままじゃ長期戦は難しいか。なら、最大戦力で一気に叩き潰すか)
[本来は絶叫したくなる痛みに耐えて、...は両手で柄を握ると、大きく肩越しに振りかぶる形に構えた]