◆ENDRP
……『六人の「娘」を迎えに来い』、ね。
あいつめ、言ってくれる。
[届けられた手紙の短い文面に、浮かぶのは、苦笑。
年子の弟は、あらゆる意味で自分と良く似て、でも正反対で。
幼馴染の願いのために、敢えて研究者の道を進もうとした自分の背を押してくれたのも、弟だった。
幼馴染が自ら命を絶った後、目的を見失いかけて。
その時に、始めた事から逃げるな、と。
叱咤してくれたのも、やはり、彼で。
その声があったからこそ、研究を続けられた──それが、思わぬ場所に繋がってしまったのは、予期せぬ事ではあったのだが]