◆ENDRP ―冬の空―
[研究所から出て、騒動がひと段落する頃
女は一度、少女から手を離して自宅を探す。]
…お化け屋敷ね…
[見つけた我が家は植物の蔦で覆われていた。
それもそのはずだ、両親も同じ病だった。
ほぼ50年近く放置された我が家と向き合い
最初に出た言葉なんて、案外冷たいもの。]
…ただいま。
[扉に手をかけると錆びついた音と嫌な匂いに
出迎えられて家の中に入ることとなった。]
あの日の、まま…
[室内は埃や蜘蛛の巣は多いけれど面影はあり
52年という年月は案外あっさり埋められた。]