「ま、いいけどさ、どーやら幸せそうだし?
昔のふみっちと来たら、不幸の拠り所みたいなモンだったしなぁ。
事故とか障害とか。良くぞここまで復活したもんだとは思ったけど……それって結局、それの贈り先のおかげって事?」
……ま、そうとも言うな。
[言いつつ、ちら、と目を落とすのは、宝石店のロゴの入った小さな袋]
「うわ、こいつ惚気おった!
久々に飲みに、と思ったけど、もう行くんだろ?」
ああ。
すぐに帰る、って約束してるから、な。
[さらりと告げた言葉に返されるのは、うわー、というリアクション。
そんな、昔と変わらぬやり取りを少し交わして、別れる。
その姿が雑踏の向こうに消えた所で、また、手にした袋に目をやる]