[真赤な顔でアヤメと別れてから、バサリと薄金の翼は風を打って施療院へと向かってスティーヴの行方を聞くと、小屋へと戻ったと言う。 そちらへの謝罪や挨拶はまた後で来ます、と言葉を残して再び飛び立ち、岩場の小屋へと向かう。 躊躇なく、スピードに乗って空を滑空して目的地に辿り着くと、一度深呼吸をしてから小屋の扉をノックした。中に居るかと。]スティーヴさん、居ますか?ラスです。[声が震えるのは気力で抑え込もうと、眉に力を入れた。]