─影輝界─
「……きゅ?」
[不意に感じた異なる気配に、そこを注視していたヴィオレット。
出た来たのは隠居が可愛がる影精の目付け役とその連れの氷精]
『あー、あの件についてかぁ』
[投げかけられた問いに、ふとこんな事を考える。
若き影精の言葉遣いは気にしてはいない。そこは、奔放さで知られる影輝王の魂より分れし存在が故か]
「きゅ。
(訳:あー、知ってるけど。ボクの一存では喋れないねー。
ちょっと待っててね、ハヴェに取り次ぐから……そろそろ、中枢から出てくると思うんだ)」
[ぱたり、と羽ばたきつつこう告げると、影精は慌しく中枢へ]
「きゅきゅー。
(訳:ついてくるー、そこの氷精くんもー)」