――あァ、おかしい。[部屋に戻り、狐は哂った。やみが蠢く。]虚などに呑まれるわけはないだろうに――のぞんでいたとでも云うのかね。[くつり、こみ上げてくる可笑しさに喉を震わせ、]おろかなものだ。つぎは、何をしてくれるやら[決して消えることのない虚のもとに、狐は身をひたし、それをいつまでも*愉しんだ*]