……物好きでも構わないし、使われるのは寧ろ望むところ、かな。
俺にできることはそれくらいだしね。
…ああ、でも。できないことも多いけど。
[冗談めかした言葉に、返すのは同じいろを乗せた言葉。
ことり、首を傾いで]
[それから、瞬く。
届けばいいと思っていたけど、届くと思っていなかった]
[水宝玉に動揺のいろが過ぎったのは数瞬。
すぐに浮かんだ表情は、何処か苦い微笑]
何か起こるなんて、勝手に誰かが言ったことなんだろう?
何も起こらないよ。君が承諾したんだから。
[だから、逃げるのは無しだ。それは言外に。
ゆるりと持ち上げる手を、敢えて視界に収められるように動かして。
伸ばす先は許された、その頭の上へと]