―――…アイラ、[小さく呟いた名前は、 もういないひとのもの]ごめんね、ずっと傍にいて貰って。[己が喚んでいたのは、 羽根の主であり、そうではないとも言えるもの。 器を喪った、彷徨える魂を基に生んだ、仮初の存在。 それゆえに、精霊にも妖精にも幻獣にも似て、どれとも異なり、 一番近しいのは人であり、一番遠いのも、人であった]……ううん、ありがとう。[眼を伏せて首を振り、紡いだのは、感謝だった]