……だから、機鋼の連中はっ!
[詠めねぇんだよ、と毒づきながら、僅かに残る流水へ向けてカードを投げ込む]
静かなる流水、力の導き手に従いて、護りの陣を我が前に!
[投げ込まれたのは『歯車』のカード。
流水は、己が内の力を攻撃から護りのそれへと転じながら反転し、振り下ろされる一撃を逸らすべく跳ね上がる。
それでも、僅かに力は足りず完全に往なしきる事はできずに。
流れた一撃は左の肩口ではなく、右の上腕、漆黒の僅かに届かぬ場所に浅からぬ傷を残した]
『……アル!』
[名を呼ぶ漆黒を黙ってろ! と一喝し、ポケットから掴みだすのは先に複写しておいたカード]
全てにありて何れにもなき影の力、その強大なる力を秘めし刃をこの場に芽生えさせん……! 影刃!
[つかみ出したのは、影のルーンと、『覇王』に『誕生』。
絡み合う要素が作り出すのは、影の刃。
淡い紫に煌めくそれを左の手に握り、横一文字に薙ぎ払う]