[巨大な水球は真っ直ぐに下された拳に容易く形状を歪め>>2645、そのまま弾けて空に解けた]
[それは当然の事象として受け止めているから動揺は無い。
動揺のいろを引いているのは、瞳の色。
一切の言葉が無いこともそれを増長させる]
……やれやれ、これは厄介だな。
[ぐ、と身体の前に置いた左手を握り込む。
打ち込まれる拳を腕で受け止めて様子を探ろうと思った、――が]
っく、……!?
[水巻く左腕で拳を受け止めることは叶えども、追撃の鉄環は想定外。
衝撃を殺し切れずに更に後方へと押し飛ばされる。
僅かに左に強くかかった力に従うまま、くるりと身を一度翻して]
恨んで、くれるなよ!
[後方へ飛ぶはそのままに、生み出し撃ち出すは拳大の水球を、みっつ。
瞬とは云え力を練り込んだ其れは、鉄球程度の硬度を持って]