[至近距離で放たれた乾坤圏の衝撃にネッドの身体も後方へと押される。
右腕を突き出した態勢のまま足裏で地面を後方へと滑り、右腕を後ろへと引くと同時、放った乾坤圏がこちらへと戻って来た。
再び肉薄すべく地を蹴ると、硬度を得た水球>>2656がアミルから放たれる。
それを目の当たりにしても崩れぬ、張り付いた笑み。
避けることもせず迫る水球へと自ら飛び込んだ。
一つは戻って来た乾坤圏で水球を追う形でぶつけて軌道を逸らし。
顔へ迫った一つは右の拳で打ち砕くように殴りつけた。
めしゃり、と気味の悪い音が拳からあがる。
左腹部へと迫った一つには何の対処もせず重い一撃を受けて、上体を揺らしながらも前へ進むのは止めなかった]
─────!
[殴りかかるにはまだ1歩程距離がある位置。
そこから今度は左掌をアミルへと突き出す。
瞬間、その中央から発される熱を持った一撃。
炎が槍のように真っ直ぐに、アミルを貫かんと伸びた]