>>2693機
[枷の、割れる音。
自由への序曲。
――両の手が、軽くなる]
……痛むは身体だけではありませぬ。
[心も――そう呟いて、私は眩暈を隠す為にもう一度目を閉じる。
瞼の奥、頭の芯が鈍く痛んで…額へと集まる、熱にも似た何か。
私はそれに深き息を吐き、今度は足の枷へと角を向ける。
自然、腰は地へと落ちて裾が乱れ、花模様の白金が光を弾く。
横に座るよな姿になるは、無意識にそれを庇うが故に]
――どうか、自由に――
[静かに押し当て、手のそれと同じよに祈るは……解放への願い。
身体だけでなく心をも解き放つ為の、切なる叫び――]