[アミルの手は刃を残し払われていった>>2706。
異物が身体に残るが、表情はやはり変わらず、痛みに歪むことも無く。
けれど、損傷は確実に機能性を削ぎ落としていった。
視線をアミルへと転じる頃に霧散する、左脇腹の刃。
そこに残るのは突き立った刃の形の傷。
欠けるように残ったそれに、上半身が僅かに左側へと傾いた]
────……
[それでも尚、前へ進もうとする身体。
相手を倒すべく、相手を壊すべく。
暴走するが故に普段使う符すら使わず、ただただ力尽くで事を成そうとする。
間合いを取った相手を見据えて突き出すのは右腕。
ひしゃげた拳は開かれること無く、そこにあるのは射出口としての役目だけ。
ドン、と言う音共に乾坤圏が飛び出しアミルへと駆け迫った]