純粋魔族 ランス

　軽くはなるが……
　ムササビになるわけじゃないし。

[あくまで人の姿をした郵便屋だ。
　水の上の木片に乗るようなまねはできっこないと思っているうちは、相手が木の上の”近道”を常用しているなんて思いもしない]

　……俺はいつもお前の下を歩いているわけじゃないぞ。

[大丈夫です、と微笑むのも、先ほどまでよりいくらか硬いから、こちらのまなざしは半分になって]

　また、上がる気か？

[手はまだつながったままだ。
　うっかりしないという相手の手を、ちょっとだけ握り締めた**]