「──さて、留意はしますが、確約は出来ません。
こうして得られるデータも、研究結果の一つですから」
[クス、と音を添えて深まる口許の笑み。
その口振りから必要と思えばまた暴走させると言うのは感じ取れよう。
それも、意図的に行うということを]
「ネッドのお相手をして頂いたことには感謝しますよ。
お陰で改善点もいくつか見えてきました」
[拾い上げたネッドの下半身を白虎の背に積み上げて、男はアミルに向き直り謝辞を口にした。
アミルにとってはありがたくない謝辞だったことだろう。
男が口にするのは全て研究についてであり、反省の色も微塵も見られないのだから]
「礼代わりと言ってはなんですが。
お怪我があるようでしたら見て差し上げますよ?
私が作った治療薬、なかなか効果があるんですよ」
[そうアミルに問いながら取り出すのは、どう見ても怪しげな風体をした小瓶。
よく遠慮される代物なのだが、アミルの反応はどうだったか**]