>>2774「――ナターリェ、風邪引くよ」[耳に届いた声に、私は白金の睫毛を揺らして目を開ける。淡い菫色が映すは羽持つ白き猫。――私の、命の恩人]…嗚呼、エィリ殿。少し草の香りに抱かれたかっただけでしたに…すみませぬ。[未だ本調子とは言えぬ身を起こし、私は髪についた草を振るう。蓬髪が舞い、現の夢は小さな翠の破片と共に*風に流れて消えた*]