>>2820続き
次の日、彼が起きたら猫の姿になっていました。また人の姿になって、看病の再開です。
今度は、彼女は怯えなかったのですけれど、寝ているときとか、夢現のとき、彼女の目があいていたとか、そんなことはなんら問題にならないのです。ただ心も落ち着いたようでよかったと思いながら、彼は看病をし――
やがて、聖なる獣を見送って。
森にはふたたび、静寂が訪れました。
森の中には白猫一匹。
花が咲いて、光がそそいで、川が流れて、獣が歌って。
ぽかぽか陽気の毎日が、変わるその日も白猫は、怪我した獣を助けた日のように、日差しの下で平和にお休みしていたのでした。