― 泉の辺 ―[>>2985声が降る。 見知った声に顔を上げるときは常と変わらぬ無表情に戻って] ……見てた。[視線は蒼い瞳を見上げたまま。 己の沈めたものが、泉の底へと落ちていくのを見ていたと。言葉足らずの説明。 いつもと変わりない体で相手に向き合うものの、 風が吹けば揺れる袖だけはどうにもならない]